コースとカリキュラム
4年間で和裁技能士になるための
実践的カリキュラム
着物には多くの種類があります。裏生地のある袷(あわせ)と、裏のない単衣(ひとえ)。染めた糸を織り上げる「織り」と、白生地を染色する「染め」。留袖、訪問着、喪服、小紋、浴衣、また上着である羽織や道行コート。下着である襦袢(じゅばん)、子供用の一ツ身、四ツ身などなど。
仕立て方は種類によって異なるため、和裁技能士が身に付けなければならないことは数限りなくあります。
しかし初めは、和裁の知識や経験はゼロでも大丈夫です。
東亜和裁では、運針・コテかけの基礎的な作業を修得し、実際の商品を扱いながら、研修生の技能向上と共に扱う反物のレベルもアップしていきます。
チャレンジできるコンクール・検定試験合格を目標としながら、
4年後には和裁の「匠」に仲間入りを目指します。
コースのご紹介
和裁技能士育成コース
(4年制)
和裁基礎コース
(2年制)
和裁研究コース
和裁技能士育成コース修了後に進むことができるコースです。
さらにハイレベルな技能を修得しながら、
各種コンクールの優勝・上位入賞をめざします。
ご希望であれば何年でも継続することができます。
カリキュラム
1年 目標:単衣の着物を縫う
[実習教材] 浴衣、長襦袢、単衣着物など
和裁の基礎の運針をしっかり身に付けます。夏まで浴衣(主に木綿)を中心に、柄合わせ、見積もり、裁断、縫製を実習します。7月にはゆかた縫製6時間コンクール・5時間コンクールに挑み、速く、きれいに仕上げることに挑戦します。秋からは長襦袢に進み、初めて正絹の生地に触れます。化繊から、生地の扱いが難しい正絹の生地へ。また、単衣着物に進みます。12月、プリンセス・コンクール(東亜和裁)に挑戦します。
2年 目標:袷の着物を縫う
[実習教材] 冬喪服、無地、小紋など
袷着物に進みます。袷着物は単衣着物と違い、裏地が付きます。袷着物は単衣着物と比べて工程が多く、きれいに仕上げるためには、正確な地直し、印付け、運針が必要です。紬地・ちりめん地と生地によって異なる特徴を実際に縫いながら覚えていきます。着物の上に羽織る、羽織や道中着も修得します。6月の全国和裁技能コンクール長襦袢の部(名古屋/東京)、9月の和裁検定2級(旧東商)、12月のクイーンコンクール(東亜和裁)に挑戦します。
3年 目標:絵柄のある着物を縫う
和裁検定2級・国家検定2級に挑戦
[実習教材] 冬喪服、無地、小紋、付下げ、訪問着、振袖など
袷着物の技能を高め、生地は大島着物も扱い始めます。絵羽模様(一枚の絵のように柄がつながっている)の着物、訪問着に進みます。時間を意識して、左右対称に仕上げる、角は直角に仕上げるなど、より高い技能を目指します。
9月開催の和裁検定2~1級(旧東商)、12月のクイーンコンクール(東亜和裁)、1月の国家検定2級に挑戦します。
4年 目標:絵羽模様の着物を縫う
東商検定1級・職業訓練指導員(和裁科)に挑戦
[実習教材] 冬喪服、無地、小紋、付下げ、訪問着、振袖、留袖、道行コートなど
高度な着物を数多く縫製して実践を重ね、ミスの第一礼装、振袖とミセスの第一礼装、留袖を修得します。和裁技能士として独立するため、技能だけでなく、納期厳守等、和裁技能士の心得も身に付けます。
6月の全国和裁技能コンクール(東京)と、9月の和裁検定1級(旧東商)、11月ごろに技能五輪全国大会に挑戦します。
さらに上級を目指す人には
和裁研究コース
目標:国家検定1級や技能五輪・技能グランプリに挑戦
一ツ身、四ツ身など、大人と裁断の異なる子供物や男袴、帯、綿入れなど、特別な技能を身に付けます。全国和裁技能コンクールの優勝・上位入賞を目指して、技能向上に努めます。