東亜和裁の特色 | 検定・コンクール

第58回全国和裁技能コンクール

全国和裁技能コンクール

令和元年6月16日(日)に東京都の中央・城北職業能力開発センターにおいて第58回全国和裁技能コンクール 長着の部が行われました。袷長着を5時間30分でより美しく仕立て上げる全国大会です。
このコンクールにおいて名古屋支部の細見 愛さんが優勝・金賞の内閣総理大臣賞を受賞されました。また、長襦袢の部においても仙台支部の小野 瑞帆さんが優勝・金賞の東京都知事賞を受賞し、長着の部・長襦袢の部におけるダブル優勝を飾りました。
長着の部では東亜和裁として4連覇、そして今回も多数の上位入賞を果たしました!

長着の部・賞受賞者支部名
【優勝】 金賞・内閣総理大臣賞 細見 愛
インタビュー
名古屋支部
銀賞・厚生労働大臣賞 本間 茅乃 新潟支部
銀賞・経済産業大臣賞 竹市 真衣 名古屋支部
銅賞・文部科学大臣賞 三瓶 以杏 名古屋支部
銅賞・総務大臣賞 田中 恵美里 名古屋支部

長襦袢の部・賞受賞者支部名
【優勝】 金賞・東京都知事賞 小野 瑞帆
インタビュー
仙台支部

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58_zenkoku-hosomi04.jpg簡単じゃない、楽じゃない、だけど決めた自分の道

名古屋支部 細見 愛さん

優勝が決まった瞬間、ずっと憧れていた賞を頂けて素直に嬉しい気持ちともっと上手くやりたかったと思う気持ちもあって少し複雑でした。 それでも4年間やってきたことに間違いはなくて、多くの先生に指導して頂いてそれが自分の実になっていると実感でき、一緒にやってきた仲間を見ると自然と涙が出ました。 一昨年は5位入賞をしていて、昨年は自分の中で満足のいく仕立てができたつもりで結果を期待していたら何も得られず悲しくて本当に苦しかったです。 コンクール直後は「和裁をやめよう」と一瞬、本当に考えました。 それでも自分の理想とする仕立てやスピード、いつかは優勝したいという憧れを捨てることができず、卒業までは頑張ろうと決め、日々を過ごしました。よくなかった時こそ、色々振り返ることができて自分の仕立てや態度を見直す大きなきっかけになり、今思うと必要な時間だったと思います。

58_zenkoku-hosomi03.jpg秋頃には技能五輪に出場しました。 上位入賞をしたくても自分の100点の仕立てが本番に出せなければ意味がないし、その100点のレベルも上げていかないと得られるものは無いなと思うようになっていて、目標が出来たことと、人と比べることをやめられるようになりました。 本番では満足のいく仕立てができ銀賞を頂けました。その時の100%を出せての賞だったので、とても嬉しかったです。 4年間、多くの経験をさせてもらい、現時点での未熟で足りないところを痛感し、もっと上を目指していけるスタートラインに立てたと思います。ここまで支えてくださった周りの方々と和裁を十分にすることのできる環境があったことに本当に感謝しかありません。 今回の優勝はこれまでのご褒美とここから頑張るためのうれしい通過点としてさらに気を引き締めて、目標とした道を進んでいきたいです。 ありがとうございました。

己に負けない

仙台支部 小野 瑞帆さん

「本当に自分が優勝したのか?」今でも全国和裁技能コンクールが夢のように感じます。和裁技能士になりたいと思ったのは成人式を迎える20歳の時でした。母の振袖を着ようと羽織ってみたらその振袖は至るところがほつれていたり、汚れがあったりとすぐに着られる状態ではありませんでした。この時「母の振袖を自分で直せたら・・・」という思いが湧き上がり、同時に私の人生が動き始めた感じがしました。すぐにインターネットで調べ「和裁」という言葉を知りました。今の自分が和裁を学ぶためには何が必要か計画を立て、入所説明会で運針体験をし、「よし!ここで自分のやってみたいことをやろう!!」と迷いなくすぐに決めました。入所した当初から課題は「運針をまっすぐきれいに細かく」です。針の持ち方も知らないところからのスタートを考えれば成長したようにも思いますが、和裁を初めて1年3ヶ月経っても変わらない課題です。1年目は1枚完成するのが嬉しく、そして誰よりも多く縫いたいという気持ちもあり、がむしゃらに縫っていたように思います。その中で生地が木綿から柔らかい正絹と変わっていき、鏝(こて)の使い方が難しく大きな壁として立ちはだかりました。少しの力加減で生地の見栄えが変わってしまう繊細さに驚きや怖さの連続ですが、3年、4年と学んでいく中でひとつずつ乗り越えていきたいです。このコンクールで私の力となったのは先生方や先輩、後輩や他県で学んでいる同期生の人たちです。何かの大会に出場することが未経験だった私にとって、すべてが未知の世界でどこから手を付ければ良いのかも分かりませんでした。先生は私の苦手なところを理解し、時間をかけて一緒にきれいに仕立てるためのポイントを探し、言葉を理解できても思ったように手を動かせないことがあっても常に冷静に対処してくださいました。先輩方はコンクールの雰囲気、緊張した時の対処法と「きっと上手くいく」と心強い言葉をかけてくださいました。後輩は和裁を始めたばかりですが、常に慎重かつ丁寧に作業している姿は私のお手本になっています。他県で学ぶ同期生の人たちには「大きなエネルギー」をもらいました。会って学ぶ時間は年に数回ですが、和裁に取り組む姿勢やお話を聞くだけで刺激になり「自分も負けていられない」とエネルギーが湧き、誰よりもきれいに仕立てたいと強く思いました。全国和裁技能コンクール優勝が夢のように感じるのは自分一人で得たものではないと心から感じているからです。協力してくだった方々や刺激し会える仲間がいたからこの結果に繋がりました。今後の目標として、コンクールで得た経験を忘れずきれいな仕立てが出来る和裁技能士になれるよう日々努力していきます。この場をお借りして皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。